土地家屋調査士の仕事について
土地家屋調査士の仕事
不動産の「境」を明確にすることが仕事
私達は土地など不動産の生い立ちを調べ、測量を行い、境界標識を設置することで、みなさんが所有する不動産の「境」を明確にすることを仕事としています。
土地家屋調査士の主な仕事 |
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・土地や建物の調査や測量 ・不動産の現状についての登記申請の代理 ・不動産の現状の登記申請に関する不服申立ての代理 ・筆界特定手続きを代理 ・境界紛争の解決に特化した民間紛争解決期間(ADR)への手続きの代理 |
土地家屋調査士は一言でまとめると、不動産の「表示に関する登記」と「土地の境界」に関するプロフェッショナルです。
不動産とはその名の通り動かないもの、つまり土地と建物を指しており、土地ならばどこに、どのくらいの広さで、どのように利用されているかを、また建物においても面積や配置、建築材料などを精密に測量・調査し、不動産登記簿へ記録することが「表示に関する登記」となります。この作業が必要とされるのは、土地を売買あるいは相続したり、マイホームの新築や増築時、また中古の建物を購入する時です。
正式な手続きでトラブルをふせぐ
土地の「境界」とは、ある土地がどこからどこまでなのかを区切る線。境界にはさらに「筆界」と「所有権界」の2種類があり、「筆界」における線は土地が登記された際、その土地の範囲を区画するものとして定められた線であり、正式な手続きをとらない限り変動することはありません。しかし「所有権界」は所有者間の合意などにより変動するという違いがありますので、このふたつの境界が一致しない場合、つまり一筆(ひとつの土地)の一部を他人に譲渡したり、境界のラインをその当時の所有者同士の合意によって変動させる際、口約束ですませて「分筆登記手続」や「所有権移転登記手続」といった正式な手続きを行わないままでいると、のちのちトラブルの元になることが多くあります。そうした筆界をめぐる問題を、正確かつ公正な調査資料によって解決に導くのも、土地家屋調査士の重要な仕事となります。
あいまいな筆界を円滑に迅速に明らかにするための「筆界特定制度」では、専門家として筆界調査委員の役割を担っています。
土地・建物の登記や境界に関して相談のある方はもちろん、土地家屋調査士の仕事に興味のある方は、お気軽にお問合せください。
▲詳しくは動画をご覧ください。
境界線をはっきりさせたい方
ADRセンターへの手続き代理も行います
お隣と境界線でもめた、土地の売買時に境界線がはっきりしない、建物を建てる時に隣との境界線が分からない等の問題を解決します。土地家屋調査士会が運営する境界問題相談センターでは各地域で業務を行う土地家屋調査士を相談員として紹介し、無料相談(1時間)を行うことができます。 また、土地家屋調査士会と弁護士が協議して境界紛争解決を行う【ADRセンター】への手続き代理も行います。
ご自分の土地に境界標はありますか?
まずは、ご自分の土地に、杭などの境界を示す標識(しるし)があるかどうか、それが簡単には動かないようになっているか確認してみてください。境界標はありますか?
境界標は勝手に設置してはいけません。境界標とは目に見えない境界点を現地で示す標識(しるし)です。境界標は御影石、コンクリート、プラスチックなどの材質でできた杭で上部に十字又は矢印によって筆界点を示すものや、十字や矢印を刻んだ金属プレート、金属鋲などの事です。境界標が明確になっていないために、今まで平穏だったお隣さんとの関係が悪化したり、更には事件に発展するなど悲しい出来事が後を絶ちません。大切な財産である土地の管理は「境界標の管理」から始まります。設置する際は土地家屋調査士にご相談ください。
土地を正しく管理する3本柱 |
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土地を分割したい方
分筆登記に必要な一連の手続きを行います。
相続で土地を分割したい、土地の一部を売買したい、お隣の越境部分を相手へ渡したい等、「分筆登記」に必要な一連の手続きを行います。
土地分筆登記・・・一筆の土地を二筆またはそれ以上に分ける登記です。
※土地の個数は「筆」という単位で表します。
登記上の情報を確認したうえで、一つの土地を複数の土地に分けることができます。現況地での見かけ上は間に塀があっても登記簿上は1個の土地である場合もあれば、見かけ上1個の土地でも登記簿上は複数の土地であることがあります。このように現況と登記簿上は異なっていることもよくあります。
相続で遺産分割や、相続税を物納でする前提での分筆や所有する土地の一部を贈与するためまた、一部を売却するための分筆等法律で認められた条件であれば土地の分筆(分割)が可能です。
分筆登記をするには土地家屋調査士の測量が必要となります。境界を確認した上での分筆となることから、法律の知識と専門知識を有すると土地家屋調査士が必要となります。
原則として、分筆登記を申請する土地全体についての測量が義務づけられました。その結果、分筆登記の前提として、地積更正登記が必要となるケースもあります。その場合はその費用を別途ご負担して頂くことになりますので、ご理解ください。
土地分筆登記は最寄の土地家屋調査士にお任せ下さい。
土地の利用状況の変更を行いたい方
不動産の利用方法が変わった場合はお問合せください。
畑に建物を建てた、建物を壊して駐車場にした、お店をやめて自宅にした等、不動産の利用方法が変わった場合、法務局へ登記記録の変更の登記をしなければなりません。法務局の登記記録では、一つの土地は一つの用途でしか利用できない前提になっています。変更の届出をしないと銀行からの融資ができないなど不利益を被ることがあります。土地家屋調査士は現地を確認し、法務局に手続きを行います。
※農地を住宅用地などに転用した際は土地地目変更登記が必要です。
新築・増築を行った方
1か月以内に登記申請を!
建物を新築した、建物を増築した時には1ヶ月以内に法務局へ登記申請を行う必要があります。この登記申請によって不動産の権利が保護され、銀行などの融資も受けることが出来ます。土地家屋調査士は建物を調査・測量し、法務局に必要な手続きを行います。