・大相撲十一月場所(九州場所)観戦記 日田支部 諌山 浩

・マリンメッセ全景 ・会場入り口風景
それは11月の初旬の夜のことでした、宮崎に出張している高校時代から付き合いのある
友人Aより私の携帯電話が鳴り「諌山、こんどくさ相撲の九州場所の桝席の券が1枚あまっとるけど
お前要らんや?」との事、突然の事でしたので私もどうしたものかなと返事を躊躇しているとAが
「桝席は1枚4万5千円すっとぞ」との事、私自身も相撲を直で観戦した経験はないので日本国で
江戸時代から続く国技でもあるこれもひとつの相撲興行見学体験と思い「なら俺にくれ」と返事。
さて貰ったものの桝席は一桝4人分座れるので誰と行こうかと思い考えついたのが
地元で自営業を営んでいる
もう1人の高校時代からの友人Bに電話しましたら平日のチケット(13日目の券)ですが、
仕事の都合をつけ一緒にいくこととなり、また友人Aも仕事の都合がついて休暇がとれれば福岡で合流して
観戦予定することで決まりました。
そして、11月25日(金)の当日を迎え、日田を13時30分の西鉄高速バスにて出発し福岡天神駅に着き
あとは地下鉄を利用して国際センターに着いたのは15時30分頃に到着しました。
地下鉄の到着駅(呉服町)からは徒歩で、会場である福岡マリンメッセに向かいます、
そしてだんだんと博多湾からの晩秋の冷たい風に迎えられ、会場に近づくにつれ取り組みの終えた
下位の力士が浴衣すがたに草履といった出立で早々と次々に会場をあとにする姿とすれ違います。
(部屋に帰ってチャンコ鍋の用意があるのかなあとか思いつつ)それから間もなくして会場に到着しました。
会場入り口で入場券を手渡すとハッピ姿の女性の方に案内され東側3列目11番の桝席に案内され席を
確認すると早速、会場内の販売所にて幕の内弁当と日本酒を購入して、いざ飲食、食事をしながらの観戦です。
取り組みは、十枚目中番まで進んでいました。会場北側に設置されている勝敗画面に目をやると
観戦郷土出身力士の垣添(幕下中位に番付が下がっていた)は既に取り組みも済んでおり負けが決まっていました。
土俵からあまり離れていない位置でしたので各力士の取り組み前の睨み合いの真剣な表情が観察できます、
そして、対戦ほとんどの勝負が一瞬にしてつきます。対戦は着々と進んでいき、注目していた中入り後11番目に
郷土出身の嘉風の取り組みです。応援の声援むなしくこちらもあっけなく妙義龍に押し出しにて負けてしまいました。
大分県といえば、かの有名な昭和の大横綱双葉山(宇佐出身)の出身地を輩出した土地柄でもあり最近では
大関千代大海など今後の郷土出身力士の躍進が期待されます。
最後の取り組みでは横綱白鵬が大関琴欧州を豪快に下手投げで下して初日から13連勝を達成し
千秋楽を待たずに2場所連続21度目の優勝を決めた一番を目にする事ができました。
大相撲会も一連の八百長疑惑問題等で昨年5月の春場所は休業となった事などが影響しているせいか
観客の数は7,8分程度で、また懸賞金の旗の数も以前と比べるとだいぶ少ないように感じました。
一昔前は、曙、武蔵丸、小錦に代表されるようなオセアニア地方出身の力士が上位を独占していましたが
(しかし貴花田、若花田など日本人力士が横綱を張っていた) しかし今では白鵬、把瑠都、琴欧州に代表される様
モンゴル、欧州系の出身が横綱、大関の位を占め、また幕内では40人の力士の内12人が名を列ねています
(そのうちで三役のなかで大関琴奨菊1人が大関としてふんばっている外の力士も幕内上位)
そういった格付け状況の中で、現在、スポーツ界の中で斜陽といわれる状況下にあって大相撲の人気復活には、
やはり日本人力士の上位番図付け(横妻、大関)に躍進奮起が不可欠と感じられます。

・幕内力士の土俵入り風景 ・横綱白鵬が優勝を決めた一番
結局、友人Aは残念ながら仕事の工面で休暇がとれず、2人での観戦となりましたが升席には、4人座れるのですが
大の大人4人が座るのには少しスペースが狭いと感じます。また、私たちの座わった桝席の東側と西側の席からは
おすもうさんのおおきなおしりが邪魔になり相手の顔がみえない位置なので、観るなら南側か北側
(テレビ放送では南側から放映)の位置が観戦するのにはいいと感じられます。
行司から勝ち名乗りを受け賞金を手にするときに、力士の体中から立ち昇り湯気となっている汗や、
力水を受け渡す力士の表情等をまじかに観察、観戦出来、大相撲観戦の醍醐味を満喫することができました。
おかげで、日々の仕事等で喧噪に追われる中での一息つけた一日となりました。
そして、帰りのバスの車中で一句浮びましたので詠ませていただきます
「相撲会 むかしの光 今いずこ」以上お粗末でした。